2024年11月のえほんを紹介します
= 年少 =
『とんだ とんだ はっぱがとんだ』
澤口 たまみ : 文 降矢 なな : 絵
秋になると、木の葉がきれいに色づきます。
そこへ風が ひゅう と吹いてきて、葉っぱは ひゅう ひゅう ひゅうん と飛ばされ、空高く くる くる くるり… 小鳥と一緒に飛んでった。落ちた葉っぱは すい すい ぷかり… 魚と一緒に泳いでる。
更に風がごうごうと強く吹き、葉っぱはいっぺんに遠くへ飛ばされ、葉っぱの雨は、地面にどんどん降り積もります。
秋空の下、爽やかな秋風に乗って、葉っぱたちが小さな動物たちと共に大冒険です!登戸幼稚園の桜の木も秋になると葉っぱが色づき、この時季の子どもたちは、きれいに色づいた葉っぱをつかった遊びに夢中です。
かさ かさ,くる くる,ぱら ぱら,ざわ ざわ,ぷか ぷか… 初めて出会うたくさんの擬態語が登場し、新鮮な気持ちで読み進めることができます。
一枚一枚丁寧に制作された葉っぱのコラージュは、ひとつとして同じものはありません。最後にのねずみたちが気に入った葉っぱをおうちへ持ち帰りますが、皆さんもお子さんとお散歩中に、お気に入りの一枚を探してみてはいかがでしょうか★
= 年中 =
『こざるの るすばん』
くすはら 順子 : さく
山に住むこざるが、おばあさんが営む小さなさびれた温泉を見つけました。心優しいおばあさんは、温泉に入りたいと言うこざるを歓迎します。喜んだこざるは、なかなかお客さんの来ない温泉に毎日通います。
ある日、おばあさんの留守中、なんとお客さんがやって来ました!こざるは、いつも優しくもてなしてくれるおばあさんを思い出しながら、温泉にやって来た親子をおばあさんの代わりにもてなします。 さてどんなおもてなしになるでしょうか???ゆっくりと温かいお風呂に浸かりたくなる今の時季にピッタリの一冊。優しいおばあさんと一緒に、元気で愛らしいこざるが大奮闘!
また、お話の中で何度も出てくる『キキキキキ…!』というサル語が、この絵本のキーワードかも知れません。こざると出会い、すぐにこざるの話すサル語を理解したおばあさんと、そしてお客さんとしてやって来た女の子。きっとサル語は、心が通じ合えば分かるのかも知れませんね★
『 キキキ キキキキキ キキキィ! 』
『(どうぞ おたのしみ ください!)』
= 年長 =
『エゾシカ』
え と ぶん : MAYA MAXX(まや まっくす)
北海道の大自然には、野生の動物がたくさん棲んでいます。キタキツネやエゾリス,オオワシやヒグマ…など、みんなたくましく生きています。
『わたし』はある秋の日、大きくて立派な角をもったエゾシカに出会います。オスのエゾシカは、大きな角と角とで力比べをします。そしてなんと、この角は毎年生え変わるそうです!
1年をかけて、この角はどのようにして大きく立派な角へと変化していくのでしょうか???5年前に北海道に移住されたという作者のMAYA MAXXさんは、様々な野生の動物との出会いがあったそうです。中でも一番印象に残っているのがエゾシカで、オスの立派な角が毎年生え変わるということに感動を覚えたそうです。
こうしたMAYAさんの思いや 調べて分かったことなどが、素直で素朴な言葉で分かり易く描かれています。また、厳しい寒さ,短い夏… 北の大地の壮大な四季がダイナミック且つ繊細な筆遣いで描かれています。
この絵本を読んでいると、私たちも大自然の中で心震えるような野生動物との出会いを経験してみたくなりますね!