2023年3月のえほんを紹介します
= 年少 =
『トラックくん』
えのもと えつこ : 文 鎌田 歩 : 絵
牧場の働き者トラックくん。
トラックくんの仕事は、遠い町のお店まで牛乳を届けること。今日も張り切って牛乳の配送に出発しました。
ところが道の途中、後ろから救急車が走って来たり、車が多くなって渋滞にはまってしまったり… 「遅れる!急げ!急げ!」と焦りながら、けれど『安全第一!』…ブル ブル ブゥーーーン!!
さてトラックくんは、新鮮な牛乳を無事お店へ届けられるのでしょうか?!トラックくんに任された仕事は、穫れ立ての牛乳を運ぶこと。この任務を果たすため、お腹に力を入れてブル ブル ブゥ―ン!と走り出します。
このトラックくんの姿、どこかで見たことがあると思ったら…そう!お当番バッチを付けてお当番のお仕事を一生懸命に頑張る子どもたち!「今日はお当番だから早く来た!」,「準備が終わったから早くお当番バッチを付けて!」と、喜び勇んでバッチを付けてスイッチオン!トラックくんのように、お当番さんの任務を果たそうと働き者に変身する子どもたちです。
牛乳を運ぶのがお仕事のトラックくん。みんなの周りには、どんなお仕事があるかな???★
= 年中 =
『だいくの だいきち おおねぼう』
太田 大輔 : 作
腕の良い大工のだいきちですが、実は朝起きるのが大の苦手。いつも仕事に遅れては叱られてばかりいました。ついには寝坊をしないようにと、頭を叩いて起こしてくれるカラクリの装置を作ったりといろいろ手を打ちますが、やっぱり起きれません…。
そこでだいきちは、朝まで寝ずに起きてみることにしました。が、コックリ…コックリ…だんだん眠くなってきました。するとそばに置いてあった道具箱の中から、「ご主人様、寝ちゃダメですよ!」…一体誰の声でしょう??!
さて、だいきちは無事に仕事に行くことが出来るのでしょうか??!朝なかなか起きれないだいきちに、思わず親近感を抱いた方もいらっしゃるのではないでしょうか。大寝坊さんだけれど仕事熱心なだいきちの姿がほほえましい一冊です。
また、仕事道具を大事にするだいきちです。手技・手業・手作業・手工業がどんどん電化され衰退している昨今、実際にモノに触れ、その触感に感動し、モノを作る等、手を育てていく機会を大事にし、自然や物を大切にする心を子どもたちに伝えていきたいと改めて感じます。
= 年長 =
『はるちゃんと 4にんの かぜのこ』
たかどの ほうこ : さく
この日熱を出したはるちゃんは、ベッドの上でウトウト・とろとろ…気が付くと広い広い原っぱの真ん中にいました。はるちゃんの前には赤い屋根の家があり、振り返れば右にも左にも後ろにも道が伸びています。そしてその行く先には、同じように黄色い屋根の家・青い屋根の家・緑の屋根の家がありました。「すてき!」はるちゃんが喜ぶと、4本の道から風が吹いて来て、子どもの姿をした風の精が現れます。
風の子たちは はるちゃんに自分がした良いことを得意気に話したり、はるちゃんと一緒にくるくる踊ったりして遊びました。
そして気が付くと、はるちゃんはベッドの上にいて…?!子どもの頃、風邪を引いて幼稚園や学校を休み、家で一人で寝ている時の心細さ…皆さんも一度は経験されたことがあるのではないでしょうか。その心細さを払拭するかのように、夢の世界へと想像を広げる子どもたち。風とお話しできたり一緒に遊んだりと、読んでいるだけで胸がワクワクしますね。
また、一人ひとりの風の子の表情が豊かで可愛らしく、親しみをもって楽しく読み進めることができる作品です。
戸外でふわりと風が吹いてきたら、「風の子かな?」,「何色の風の子かな??」と、お子さんと一緒に可愛い風の子たちを思い出してみてください★