2025年3月のえほんを紹介します
= 年少 =
『こうえんびより』
いしだ えつ子 : ぶん 斉藤 俊行 : え
よく晴れたある日、男の子はお母さんと一緒に公園へ出掛けました。
公園には男の子より背の高い木がたくさん。他にも楽しい遊具はもちろん、池にはカイツブリやカモ,カメなどの生き物が。そして川を渡れば芝生の原っぱも!男の子は心ゆくまで探索し遊び込みます。身近な自然の中に夢中で宝物を見つける男の子の、広い広い公園で過ごす一日です。暖かな春の訪れを感じる、色彩豊かな絵で描かれた広い広い公園。私たちが遠足で行く千葉公園を思い出しますね!特別なことはないのだけれど、ぽかぽか陽気の待ち遠しいこの時季の公園という自然には、子どもたちの宝物がいっぱいです。
遊具で遊ぶのはもちろん、風に揺れる花々や枝や葉,様々な生き物など、発見に満ちていて大人も楽しくなります。皆さんも公園を訪れた際には、お子さんと一緒に宝物を見つけてみてはいかがでしょうか★
= 年中 =
『えんちょうせんせいのイス』
筒井 頼子 : さく 種村 有希子 : え
自分でも何故だか分からないけれど、保育園に行きたくなかった“ぼく”。そんな日はみんながやっている『だるまさんがころんだ』にも入らないし、大好きなうさぎにも触らない。つまらないから一人で階段の手摺りを滑って遊んでいたら、今度は先生に怒られてしまった。
でも、いつでも誰でも入っていい園長先生の部屋で、園長先生のイスに、園長先生と一緒に座っているうち、“ぼく”の気持ちは少しずつ変わって来て・・・子どもの言葉にできない気持ちに、「何故?」「どうして??」と大人はすぐに答えを探ってしまいますが、そっと見守り寄り添うことで自然と解けていくこともあります。そして、時と共に子どもの心の涙も乾いていき、気づけばいつも通りの姿に戻っていることも・・・
やさしく素朴なタッチで描かれた絵と言葉で、大人も子どもも心温まる一冊です★
= 年長 =
『はいく どうぶつえん』
おおぎやなぎ ちか : 文 サトウ マサノリ : 絵
春近いある朝、開園前の動物園で、俳句好きな園長さんが見回りを始めました。
園長さんが動物の句を詠むと、なんとその動物は俳句の内容の通りになりました!面白くなった園長さんは、次々に動物たちの俳句を詠みます。
・・・が、カバの俳句を詠んだ瞬間、カバは春空を吸い込み、季節が冬に戻ってしまいました!ゾウは寒さで震え、ペンギンは空を飛び、池からは南極のクジラが現れて大混乱!!さて園長さんは、無事に春を取り戻すことができるでしょうか・・・??!この絵本には『五・七・五』の俳句がたくさん出てきます。詠んだ俳句が現実になったら・・・園長さんのように楽しくなってたくさん詠みたくなるかもしれませんね!
また、動物たちが躍動感あふれる力強いタッチで生き生きと描かれているのも、この絵本の魅力の一つです。
更には、俳人でもある作者のおおぎやなぎさんが、子どもたちの大好きな動物園を舞台に、俳句の楽しさも伝えてくださいます。俳句に親しむきっかけにもなる一冊です★