2022年9月のえほんを紹介します
= 年少 =
『みずうみ おばけ』
のさか ゆうさく : さく
山の中に、さわさわと風の渡る湖があります。
日中は、ボートや釣りをしたり、湖畔でバーベキューを楽しんだりと、さまざまな人たちでにぎわっています。
しかし、この湖は、夜になるとおばけが出るといいます。
さて、日が暮れて暗くなってきました。どんなおばけが現れるのでしょう?
ちょっぴり怖さもありつつ、ワクワク楽しみながら読める絵本です。湖からおばけが出てきたかと思うと、“ぼっちゃん”魚が跳ねたり、“ふうわ ふうわ”ホタルが飛んでいたり… ユニークなオノマトペで表されていて、想像力をかき立てられます。
色鉛筆を何色も混ぜ合わせ重ね塗られた独特な風の色遣いで、一日の空の色や湖の様子,おばけが描かれています。気づけば、そんな独特な色合いの不思議な世界に惹き込まれていくのではないでしょうか。
= 年中 =
『くじゃくしんし』
伊藤 夏紀 : さく
いつもオシャレな くじゃくしんし(孔雀紳士)。今日は骨董市へお出掛けです。
「何かいいものはないかな…?」探していると、『♪パン パララン ポン ポロロン♪』と素敵な音が聴こえて来ました。
音の正体は、小さなバレリーナが踊る素敵なオルゴールでした。店主に頼み込んで売ってもらったそのオルゴールには、「満月の夜に開いてはいけない」という約束がありました。
しかし、くじゃくしんしはある日、今日が満月の日であることを忘れ、オルゴールを開けてしまったのです。
くじゃくしんしんは一体どうなってしまうのでしょう…?!この絵本では、登場人物や骨董品が色鮮やかに、そしてレトロな雰囲気で美しく描かれています。
美しいものを愛好する、これまた美しいくじゃくしんしの立ち居振る舞いや表情、動きに、こちらも思わずうっとりしてしまいます。
満月に照らされた夢のような時間,不思議な出来事は、まるで何もなかったことのように掻き消えていきます。
少々ナルシスト気味のくじゃくしんしと共に、この空想的な世界をお楽しみください。
= 年長 =
『うちの こまるを しりませんか』
文 : おの りえん 絵 : 岡本 よしろう
今晩はお月見。『だんごの まるや』のダンゴ虫一家は、お月様にお供えするために、丸めて転がしてお月見団子を沢山作りました。
やっと一息ついてお昼ごはんを食べようとした頃、ちちまる・ははまるは、『こまる』がいなくなっていることに気づきます。
ナナフシのおねえさんや、アリのおまわりさん,スズメバチの花火職人にマイマイガの薬屋さん… 他にもたくさんの虫たちに、こまるがいないか尋ねますが見つかりません。
いったいこまるは、どこへ行ってしまったのでしょうか??!この絵本の主人公は、みんなもよく知っているダンゴ虫です。子どもたちもダンゴ虫が大好きで、園庭の花壇の石をどかして見つけては大喜び!
そんなダンゴ虫が、丸まったり転がったり…と、一匹いっぴきが生き生きと描かれています。
ダンゴ虫以外にもたくさんの虫たちが登場するので、どのような表情や姿で描かれているかにも注目です!
また、『まる』という音がリズミカルに沢山出てきます。お子さんと一緒にぜひ、声に出して読んでみてください★