2025年12月のえほんを紹介します
= 年少 =
『やきやき てっぱん』
伊藤 秀男 : さく
てっぱん てっぱん さかなのてっぱん なにやける?
生地を流し込んで、あんこを入れて、ふたして焼けば…あつあつの“たい焼き”の出来上がり!
続いてたこ焼き,たまご焼き,お好み焼き…と、いろいろな型の鉄板で、次々に美味しいものが焼かれます。
タコや紅ショウガ,青のり等まで色鮮やかに描き込まれており、食欲をそそられ思わずお腹が鳴ってしまいそう??★使い込んで年季の入った鉄板で、美味しいものが続々と焼き上がります。子どもたちも、粘土や砂場遊びの型押しのようで「作ってみたい!」と思うかもしれませんね。
そして、歌うような文章と共に、調理の様子が丁寧に描き込まれているからでしょうか… 焼き立てあつあつの湯気や温度・匂いまでも伝わってくるかのようで、本当に食べたくなってしまいます。
ぜひお子さんといっしょに、鉄板料理をご堪能ください★
= 年中 =
『ゆきがまちどおしい ヤチネズミさん』
あかし のぶこ : さく
畑の隅の草むらに、ヤチネズミさんがひっそりと暮らしていました。
もうすぐ雪の季節。長く暗く厳しい冬に備え、ノビタキさんは旅立ちの準備をし、シマリスさんはせっせと木の実を集めます。しかしヤチネズミさんは「雪が降るのが待ち遠しい」のです。なぜでしょう…。
そして雪が降り、ヤチネズミさんの家の窓を埋めるほどに積もりました。するとヤチネズミさんは嬉しそうにお出掛けの準備をし、さぁ出発です。一体どこへ向かうのでしょうか??この絵本は、実際に北海道に暮らし、北海道の自然を真摯に見つめてきた作者あかしのぶこさんが描く、冬の森の小さな命のお話です。
小さな生き物たちが雪の下でどうやって生きているのか、どんな世界が広がっているのか… 読んでいくうちに冬が少し身近で、あたたかく感じられるでしょう。
ぜひお子さんといっしょに、雪の日の色や音などを想像しながら読まれてみてくださいね★
= 年長 =
『せんにんのいし』
たむら しげる : さく
ある日、ボノさんの家の前に、見たことのない大きな石がおいてありました。森に捨てても、海の底へ投げても、ボノさんの家へ戻ってくる不思議な石…。そのうちにこの石、話し始めたではありませんか!なんとその石には小さな仙人が棲んでいて、ボノさんと友だちになるためにやって来たと言うのです。
ボノさんは仙人に誘われ、石の世界へ…。ちょっぴり怪しく愉快な生き物や、未だ見たことのない景色に出会う、冒険の始まりです!何度捨てても戻ってくる石…。今作は、東洋の伝統文化である水石(すいせき)や中国の昔話から着想を得つつ、そこに不思議な生き物たちを登場させて独自の世界を描かれたそうです。
よく見ると、ページのあちらこちらに不思議な生き物たちがたくさん描き込まれており、読んでいるとボノさんと一緒に冒険しているような気持ちになります。また、水墨画を思わせるような構図で、仙人の住む濃い霧のかかった山のシーンなどには特にワクワクしますね。
みんなが幼稚園で拾う石にも、それぞれに物語が詰まっているかもしれませんね…★