2025年8月のえほんを紹介します
= 年少 =
『ジャングルバス』
大島 英太郎 : さく
ジャングルの中を走るのは動物たちを乗せたジャングルバス。運転手はマントヒヒさん! 終点『あおぞらいちば』へ向かうお客さんが、次々と乗ってきます。
最初の停留所で待っていたのは きりんのおねえさん。首が長くて乗れないため、窓から長~い首を出して乗ることに!それからナイルワニにナマケモノ,ゴリラ…それぞれが思い思いの格好で工夫して乗り、あおぞらいちばを目指します。
しばらく走ると、なんと道の真ん中に大きな木が倒れています!さて運転手のマントヒヒさんは、みんなを無事あおぞらいちばへ送り届けることができるでしょうか?!ジャングルにこんなバスが走っていると思うとワクワクしてきますね。マントヒヒにイボイノシシ,ハシビロコウにウシカモシカ… この辺りではなかなか馴染みのない動物がたくさん登場し、新たな動物を知るきっかけにもなりそうです。
また、首の長いきりん,ぶら下がるのが上手なナマケモノ,力持ちのゴリラなど、それぞれの動物が自分の特徴を生かしてバスに乗り、みんなでバス空間を分かち合う姿はほほえましいですね!
すみれぐみでも、この絵本を読んで、ジャングルにはどんな動物が棲んでいるのかみんなで調べてみようと思います★
= 年中 =
『かみちゃんと いしちゃん』
谷内 つねお : さく 黑田 菜月 : しゃしん
紙のかみちゃんは、元気いっぱい遊ぶのが大好き! 「だれかいないかな~」…今日も一緒に遊ぶ友だちを探して出掛けます。
すると、石のいしちゃんに出会いました。ふたりで仲良くお散歩していると、急に風が吹いてきたり、転がって池に落ちてしまったり…。性質もつくりもまったく違うふたりが、それを生かして仲良く遊ぶお話です。紙と石という、子どもにとって身近な素材が主人公。「軽い紙」と「重い石」、相反するものが出会い仲良くなり一緒に遊ぶという、シンプルな写真と相反してエネルギッシュなお話です。
かみちゃんといしちゃんがいろいろな工夫をしながら遊んでいる姿に興味を惹かれます。それぞれの性質を上手に使い、補い合い助け合う様子は、お互いの良さを認め合うことの大切さを私たちに気づかせてくれますね★
= 年長 =
『かぐやひめ ~ 竹取物語より ~』
中脇 初枝 : 再話 中井 智子 : 絵
竹取りのおじいさんが、竹の中に見つけた小さな女の子を、おばあさんと一緒に育てました。美しく成長したかぐや姫は、国中のうわさになりました。たくさんの人が結婚を申し込みますが、かぐや姫は誰とも結婚をしません。
八月の満月が近づいたある夜、かぐや姫は、月を見上げながら悲しそうに「満月の夜に月に帰らなければならない」と、おじいさんとおばあさんに打ち明けます。
かぐや姫を月に帰したくないおじいさんとおばあさん… かぐや姫は月に帰ってしまうのでしょうか。今から1100年ほど前の平安時代に書かれた、日本最古の創作文学と言われている『竹取物語』。当時の人がこのようなSF風とも言えるようなお話を、私たちと同じ月を見上げながら想像し綴り描いたと思うと、感慨深く、親近感のようなものも感じますね。
原典に近い形で着物の絵柄一つ一つまで美しい日本画で描き上げられてる本作、どうぞお楽しみください★